OUT OF ORDINARYのTIMEを買いました

「どんな財布より速く、薄く、小さく、賢い。」そんなキャッチコピーに小銭の自動仕分け機能を備えるというフレキシブルIoT財布TIMEを購入しました。

Makuakeやキャンプファイヤーのクラウドファンディングを通じて売り出されたこの財布。
動画での機能紹介を見てもイマイチその概要が分かりづらかったので実際に試してみようと購入に踏み切ることに。

まずは「どんな財布より速く、薄く、小さく、賢い。」というキャッチコピーの真偽を確かめるため、例のごとくサイズ測定をしてみます。

マチ0.6cm以下の財布は他にもいくつかあるので最小最薄というのは盛り過ぎでしょうが、非常にコンパクトかつ薄い財布であることは間違いありません。
薄さを突き詰めるためにカードと小銭を重ねない構造を採用しながら、短辺長辺ともにこのサイズ感にまとまった財布は他に類を見ないでしょう。

なお、上記右側の画像は一定量の小銭収納時にコインポケット部分のマチを測定した数値です。
つまり一定量収納時のマチはカードポケット部分が1.08cmでコインポケット部分が1.66cmと、およそ0.5cm程度の凸凹が生じることとなります。

小銭自動仕分け機能の使い勝手について

この財布の最大の特徴は、札室に放り込んだ小銭が自動的にコインポケットへ振り分けられる「小銭自動仕分け機能」です。
これって本当に実用に耐える機能なのか、結構疑問を感じていましたので実際に使い勝手を検証してみました。

小銭収納時の仕組み

STEP1:札室に小銭を放り込む。
 (札室は開口部が広くて小銭を入れやすい。小銭を紙幣と一緒に収納する場合の動作もスムーズ。)
STEP2:小銭が札室にたまる。
 (この状態で財布を傾けたり逆さにすると、普通に小銭はこぼれる。)
STEP3:コインポケットのホックを外し、フラップを手でつまんで受け皿を作る。
 (ちゃんと受け皿を作れば小銭はこぼれにくいが、こぼれないとは言ってない。)
STEP4:札室にたまった小銭を受け皿に滑り込ませる。
 (財布を振ったり、札室に指を入れて小銭をかき出すなどしないと、引っ掛かった小銭が札室に残留する。)
STEP5:ホックを留めてコインポケットを閉じる。
 (小銭の収まり方によってはホックが閉じにくいことがある。)

このように、小銭がこぼれないようちゃんと収納するには結構な手間がかかってしまいます…。
特に小銭が札室に取り残されるケースが問題で、札室に紙幣を多くしまっているほど小銭の引っ掛かりが発生しやすいです。
札室に指をさしこんで小銭を書き出さないと、財布の中で小銭がとっ散らかってしまい行方不明になるのは構造上の欠陥でしょう。
そうして札室に残留した小銭に気づかないまま財布を持ち歩いていると、いつの間にか小銭がこぼれてしまっていることもしばしば。
札室に小銭を通さず、直接コインポケットに小銭を放り込んだ方がマシじゃないかと感じることもありました。

ちなみにこの財布には、携帯お探し機能を持つ「Tile Slim」用の収納ポケットがあります。
これを予備のコインポケットとして使えるか試してみましたが、ポケットを留める蓋が何もないので普通に小銭はこぼれます。

札室の使い勝手

紙幣は手折りで収納する仕組みです。側面にスリットがあるので出し入れは容易です。
スリットの横から紙幣の折り目に指を入れて、折りたたんだ紙幣を広げることができるので、他の紙幣手折りが必要な財布より使いやすく感じました。

カードポケットの使い勝手

そして一方のカードポケットについてはかなり特殊な仕様です。

まず、ホールド力が非常に弱い。
カードを1枚か2枚程度入れただけでは、カードは重力に逆らえず簡単にこぼれ落ちてしまいます。

それを解決するための仕組みが、コインポケットのフラップでカードを支える構造です。

画像のように、カードポケットを開かずに閉じておき、カードをコインポケットの蓋で支えておけばこぼれ落ちることはありません。
ただ、この状態のままではカードを取り出すこともできません。

カードを出し入れするときはカードポケットを横にスライドさせて開き、コインポケットの干渉をなくします。
この時カード枚数が少ないと、カードが下に落ちてしまうので注意。

↓指で押さえないとカードが落ちてしまう

「いやいや、財布を縦に持つからカードがこぼれちゃうんじゃ…財布を横にして持てばカードは落ちないのでは?」と気がつく人もいるかもしれませんが…。
ここで注意すべきなのが、カードを使わない時でもコインポケットを開けばカードが滑り落ちてしまう点です。

「小銭自動仕分け機能」を用いて小銭を収納する際には、必ず財布を縦に持ってコインポケットを開く必要があります。
札室から小銭をコインポケットに滑り込ませるには、前述したように結構な手間を要します。
その作業を行う間は、カードが滑り落ちないよう手で押さえたりして気を配っておく必要が生じてしまうのです。

カードにばかり気を遣っていると、小銭をコインポケットに滑り込ませる手順も雑になったりして、ストレスを感じることが多々ありました。

コンパクトではあっても使い勝手はいまいちな財布だと思います

小銭を使いやすくするための小銭自動仕分け機能のはずが、それによって不具合が出ては本末転倒。
苦心して生み出されたアイデア財布なのかもしれませんが、残念ながらそのアイデアが実用性には結びついていないと感じました。
携帯お探し機能については個人的に関心がない部分で詳しい言及はしませんのであしからず。

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