近況 その12

このサイトを始めてから「ミニ財布特集」を組んでいる雑誌をたまに買うようにしています。
けれども雑誌媒体記事は広告的な側面が強いのか、どんな財布にも当てはまる無難なヨイショ記事がほとんど。
その財布がどれだけコンパクトで使いやすいのか具体的に言及されることは少ないし、その財布の短所はほとんど触れられません。

ネット上の記事も企業運営サイトはそうした傾向が強く、個人サイトであっても商品提供やアフィリエイトの影響が垣間見える所が増えてきた気がします。
youtuberの流行りに象徴されるように広告業界の儲かり方は半端ないそうで、生活がかかってしまうとこうなるのは致し方ないのですね。

ほんの数ページ程度の雑誌記事でも「チェック完了まで5日間ほど待ってください。」と素で答えてくるほど非常に仕事が遅い団体もあったりするので、メディア側はその分の日数をあらかじめ前倒ししたうえで編集・入稿作業をする非常に困難なスケジューリングを強いられます。

メディアの側から見れば、厳しい規制によって書き手および編集者の主張が十分に表現できない記事にされてしまうと仕事のモチベーションは確実に低下します。せっかく読者に魅力をより知ってもらうために知恵を絞って面白い企画記事を考えたのに、メーカー側がその意図を理解できずに掲載を拒否されたりするとかなりのショックを受けてしまいます。今後もこんな状態が続いてしまうと、いずれは「色々書くと後でメーカーがうるさいから、これからはずっと無難な内容の記事だけを載せよう。」という書き手ばかりになってしまい、メディアの編集・企画力の成長を阻害してしまう要因にもなりかねません。

しかし出版不況の続く現代においては、メーカーからの広告出稿によって売上の大半を得ているメディア側としては、メーカーの意向を無視したり批判的な内容の記事を載せるのは心理的にどうしてもやりにくくなってしまう状況下にあるのが現実でしょう。また法的には問題がないからと、ある日突然どこかのメディアが慣例を放棄することがもしあった場合は、以後そのメディアにはプレスリリースや素材などの送付をストップするなど、取材協力を一切拒否する処置をとる会社が少なからず現れることになるでしょう。

ただまあ大人の都合があるにせよ、見本写真に日本円を使わないから実際のサイズ感を誤解させるような記事になってるのはどうかと。
紙幣手折りが必要な財布なのに海外紙幣を折らずに収納した写真を見出しに持ってきたり…。
「こんなに薄いんです!」と画像つきで強調した財布の公称サイズがマチ3.0cmだったり…。

核心に切り込まない専門性の薄い内容ばかりであれば、カタログ的な雑誌なんて買わずともネットのリサーチだけで十分だと思います。

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