ストラッチョゴートと比較してPRESSoの機能性を批判する

Makuakeクラウドファンディング上で「キャッシュレス時代の理想の財布」と銘打たれ発売にこぎつけた「PRESSo」という財布。

「”機能性”と”品質”を兼ね備えた財布」というコンセプトに共感して購入を決意したものの、届いた現物を触って失望。
結論から言うと、財布としての機能性が非常に低い財布です。
事前に現物を確認できていれば購入することはなかったかな…。
この記事ではほぼ同じサイズのストラッチョと比較してPRESSoの機能性について書きたく思います。

サイズの比較


革財布の中では最小レベルのストラッチョとほぼ同サイズのPRESSo。
「物理的にこれ以上小さくできないくらいまでの小型化を実現」と言うだけあって、確かに縦横のサイズは突き詰められているようです。

実測値(四捨五入のおよその数値)
PRESSo       【短辺6.7cm × 長辺 9.4cm × マチ0.9cm】
ストラッチョゴート 【短辺6.4cm × 長辺10.0cm × マチ0.6cm】


それでは実際に現金カードを収納する財布として、中身を入れた収納時のマチを比較してみます。
当サイトの基準に沿って、上記写真右下のように「万札5枚・カード3枚・五百円玉3枚と百円玉7枚」を収納して比較します。

実測値(四捨五入のおよその数値)
PRESSo       【収納時マチ2.1cm】
ストラッチョゴート 【収納時マチ1.8cm】

数字だけで比較すると大きな差がないように思えますが……実はPRESSoの方はこれだけの現金とカードを収納すると財布を閉じることができません。
上記実測値は、無理矢理手で圧力を加えて財布を閉じながら測定した参考記録となります。

革の弾力性による反発力は馴染んでくれば多少はマシになるかもしれませんが、数週間程度の使用では経年変化の気配は全く見られず。
ポケットにPRESSoを入れるとこの反発力によりポケット内側から突っ張る感触がはっきり分かります。
ポケットの膨らみでスタイルが不恰好なのはもちろん、携帯性にも微妙に支障を生じるんじゃあないかと……一方のストラッチョはこのようなことはありません。

カードポケットの比較

次にPRESSoの機能性、すなわちカードと現金の使いやすさについて検証していきます。
まずはカードポケット。PRESSoはカードポケットが3箇所あり、それぞれに最大3枚ずつのカードが収納可能です。

ストラッチョはカードポケットが1箇所で、そこに最大12枚が収納可能。
ただ他に現金を入れるスペースも考慮すれば、実際は8枚前後の収納量におさまるかと思います。
ストラッチョゴートについてはホックにカードが干渉する欠点があるので、カード関係の取り回しはPRESSoに軍配があがるでしょう。

札入れの比較

さて、PRESSoについてはなんと札を手で三つ折りにしないと収納することができません。
大抵の財布が許容するのは手折りでも二つ折りまでだと思うのですが、それではPRESSoに札を収納することができません。
しかも札を複数収納する場合、きれいな形に三つ折りしないとサイズオーバーで財布が閉まらないという事態に。


一方のストラッチョは手折りの必要こそありませんが、枚数を多目に入れるとプックリと札の弾力で財布が丸くなってしまいます。

コインポケットの比較

実測値
PRESSo       【百円玉限界容量 27枚】
ストラッチョゴート 【百円玉限界容量 72枚】


収納可能枚数が数値の上でもかなりの差があることがわかります。
しかも、PRESSoに27枚の硬貨を入れるというのはあまり現実的な話ではありません。
コインポケットがぎゅうぎゅうの破損寸前の状態まで詰め込んだのが27枚という最大値。
公式が推奨する収納枚数について引用すると「一時収納用として、最大6枚の硬貨が入ります。」とのこと。

そもそもなぜ硬貨の収納枚数が少ないかと言うと、PRESSoのコインポケットにマチがなく革の「あそび」もほとんど取られていないから。
実際に百円玉数枚を入れるのも苦労するし、入れた百円玉の取り出しづらさは「ちょっと」どころじゃなく他に類を見ません。
一般的な男性の手の大きさだとカードポケットの隙間に指3本がやっと押し込める程度で、指を入れて小銭を取り出すという作業が非常に困難です。
画像を見てもらえればストラッチョとの違いは一目瞭然でしょう。

「キャッシュレス時代の理想の財布」とはカードケースを意味するのか?

以上のとおり、既製品の財布とサイズ的にはそう変わらない中で機能性は格段に劣るPRESSo。
決済に現金を使わずカードのみで済ませるのであればストラッチョより使い勝手は良いかもしれませんが…。
札は手で三つ折りにしないと収納不可能、小銭はほぼ入らず出入れも困難となれば、それは現金併用を前提とした財布としてどうなのか。

ぶっちゃけて言うと、このコンセプトで財布を作るなら「カードケースでよいのでは」と考えてしまいます。

こういう批判記事には良いところ悪いところを両論併記するべきなのでしょうが、PRESSoがストラッチョと比べて勝る部分がほぼ見当たりませんでした。
同サイズにして収納量も使いやすさも劣るので、両方の現物を並べてPRESSoを選ぶ理由は革質の好みくらいしかないと思います。

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