ストラッチョのゴートとスペリオーレの比較結果について

半年使用したゴートレザーと１ヶ月使用したスペリオーレで、ストラッチョを比較しました。

上位モデルとされているスペリオーレが他のストラッチョと比べ優れていると言われるのは以下の３点。

• ミネルバリスシオが使用されており、コバの仕上げなどが丁寧で見た目が良い。
• 革の裏張りがされているため札入れの摩擦が少なく、札の出入れが快適。
• ホック取付け箇所がカードポケットと切り離され、カードに干渉しない。

裏張りの違いについては以下の通り。
ただ、ゴートの床面については言われるように摩擦を多く感じることはなく、ストラッチョと大差ないように感じました。

ゴートはカードポケットにホックが干渉するのは中々に厳しく、出入れするカードが引っ掛かったりカードに傷がつくことも。
スペリオーレはそれが改善されているのが好印象。しかしパーツが増えた分だけ厚みが出るのは仕方ないでしょう。

それでは単純なサイズ比較結果を見てみます。
縦横マチ(収納時含)について、それぞれ微妙にスペリオーレの数値が大きいと言う結果になりました。
測定誤差を考慮して複数回試し測りしましたが同様の傾向に。

次に財布全体でなく、革一部分ずつでマチの厚さを比較してみます。
裏張りがされてる分でしょうか、これもスペリオーレの数値が大きいと言う結果になりました。

１ヶ月使用のスペリオーレは革自体がゴートに比べて硬く、三つ折りにした状態では弾力が強くノギスが押し返されました。
よってノギスを指で強く押さえて革を完全に押しつぶした状態でマチを測定したところ、これもスペリオーレが大きい数値を示しました。

マチを測定する際、通常はホックのない財布中央部分にノギスを当てて測定しています。
敢えてホックのある箇所にノギスを当ててマチを測定したところ、当然ながらスペリオーレが大きい数値を示しました。

重さについても２５ｇのゴートに対して、スペリオーレは３７ｇと大きい数値を示しました。

百円玉限界容量について、７４枚のゴートに対してスペリオーレは５４枚しか入らないという結果に。

カードのみの限界容量については、ゴートもスペリオーレも１２枚で同じでした。

以上の通り、見た目の高級感やカードポケットの使いやすさはスペリオーレに軍配があがりました。
しかし、単純サイズや収納量などの機能性はゴートレザーのストラッチョが優れると言う結果に。
ただこれは使用年数によるエイジングからくる違いとも考えられるので、その辺をいずれ後編で検証したいと考えています。

革の柔らかさなど参考になればと思って動画を撮ってみましたが、手袋ぶかぶかだし見苦しければすみません。

ちゃんとしたレビュー動画は他所様のサイトを参考にしてください。
ストラッチョ スペリオーレのレビュー。エムピウ最小財布の最上位モデルの特徴にせまる | 機能的な財布あります

上記記事の公開から約１年が経過したので、一応ここから後編を追記します。
ストラッチョゴートについては使用頻度を少なくしたせいか、ほとんど変化がなかったのでスペリオーレのエイジング結果のみを報告します。

マチの厚さは0.93cmから0.72cmに変化。つまり0.21cmほど薄くなりました。

革一部分の厚さについては0.8cmから変化はありません。

ノギスを指で強く押さえて革を完全に押しつぶした状態でマチを測定。
数値は0.65cmから0.63cmに。測定誤差の範囲に収まったのでほとんど変化はないと言えるでしょう。

ホックのある箇所にノギスを当ててマチを測定。1.42cmから1.32cmとなり微妙に薄くなった気がしないでもありません。

重さも37gから変化なしという結果。また百円玉限界容量やカード限界容量も変化は見られませんでした。

革１枚の厚さや強く押し潰した状態のマチの厚さは変化がないのに、財布全体のマチの厚さは若干薄く変化したことが判明。
ここから財布の経年変化について以下のことが推測できると思います。

弾力とは、力が加わったときに変形する性質やその力を取り除くと元の状態に戻ろうとする性質を言います。
この「力を取り除くと元の状態に戻ろうとする性質」がなくなることで、財布がへたって薄くなるのだと思われます。

最後にストラッチョゴートとの比較結果を簡単な表にしておきます。やはり裏張りの有無によって差が現れている気がします。